院長ブログ
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子供の肘が抜けた!?「肘内障」のお話
2020年12月15日
今年は何度か子供の肘が抜けたとのことで肘内障の治療があったので、今回は肘内障のお話です。
子供の腕が引っ張られたり、寝返りの時に腕が下敷きになったりと、
力がかかった時に肘の靭帯から骨が一部抜けかける亜脱臼の状態になるのが
肘内障の病態です。
子供は骨の成長がまだ未発達なので関節のほとんどは出来上がっていません。
緩みがいっぱいあるんです。
よく抜ける子は、ほんと何度も抜けます。
この辺は個人差なので気を付けてくださいとしか言えません。
小学校に上がる頃までには骨が成長してほとんど抜けなくなりますのでご安心ください。
大人でもたまーーーーになる人がいます。
症状としては腕を動かすときに強い痛みが走るので、
腕を下にぶらーんとしたまま動かさなくなってしまいます。
急に子供が泣くし、腕を動かさないし、親としては不安になってしまいますよね。
肘内障の場合には特に靭帯が切れたり、骨が傷ついたりというわけではないので、
基本的には整復して元の位置に戻してあげれば治療は完了します。
整復後、「え?もう終わったんですか?」と思われるくらい、あっさりです。
時間がたつと周りの筋肉が痛みで緊張してきますので、整復もやりにくくなりますし、
整復時の痛みも強くなる傾向にあります。
なので、なったらなるべく早く整骨院や整形外科にかかってください。
とにかく整復はしてあげないと痛みは続きます。
子供の腕が引っ張られたなど、何が起こって腕を痛がっているのかが
はっきりわかっている時はまだいいのですが、
誰も見ていなかった場合には転倒による肘の骨折や捻挫の場合もあるので、
整復前にはそこだけしっかりと見極めることが必要です。
ちなみにですが、痛いところをいじくりまわす私は
よく子供から悪魔を見るような目で見られます(^^;)
子供の気持ちを考えれば仕方がないですね。
痛いところを知らない人に動かされるんですし。
なるべく短時間で整復が終わるように、その時は心を鬼にして確実な施術を心がけています。
何回か来る子だと「痛いの治してくれる人」ってわかってくれるのか、
逃げずに静かにしてくれる子もいます。
その時は心が救われますね(笑)
肘内障はお待たせせずに対応しますので、
ご連絡いただければと思います。
=余談=
肘内障の「内障」ってなんでしょうか。
体の内側で何か悪い障害が起こっているんだけど、
何かは断定できていないものを「内障」といいます。
最初に言ってた肘の靭帯が原因なんでしょ?と思われるかもしれません。
でも、それはいろんなお医者さんがこういう病態だろうと研究して予想したものです。
おそらく間違いなく合っていると私も思います。でも、それを確かめた人は誰もいません。
整復すればあっという間に治るのに、痛がっている子供に腕が痛いのを我慢させていろんな検査をしたり、わざわざ手術で開いてどうなってるか確認するなんてできないですよね?(^^;)
誰も確認していない。だから「内障」です。
そもそも原因がわかってない時代に肘内障と呼ばれてそのままになってるだけかもしれませんが、
将来、一瞬で体内を観察できる機械ができたら「内障」と言われない日が来るかもしれませんね。
※ 長い文章、お読みいただきありがとうございました。